第9教室:『湖畔』(ドイツ語学習)『アルト・ハイデルベルク』学習済み

『湖畔』を読みながらドイツ語の学習をしましょう.

語学学習日記(ドイツ語学習)アルト・ハイデルベルク(39)

アルト・ハイデルベルク(39)


—————————————【39】———————————————

Doktor (redet zu sich, aber laut). Acht Jahre nicht
 herausgekommen,und morgen Abend ist man in Heidelberg!
   Lieber Gott, laß einen alten, kranken Schulmeister im lieben
   Heidelberg wieder Mensch werden. Na. Lutz, Sie werden
sich wundern! Sie sind auch so ein Mensch, der Gottes
Ewigkeit hier gesessen hat und nicht herausgekommen ist.
Waren Sie mal in Heidelberg?
Lutz. (eisig). Ich wüßte nicht, wieso.


—————————————《訳》———————————————

博士(ひとりごと、しかし声高に):8年間外には出なかった。それが
明日の夕方にはハイデルベルクだ。神よ、この老いぼれて
      病にみちた教師をあの懐かしいハイデルベルクで、再び
      人間として蘇らせ給え。ところで、ルッツ君、君は驚く
      だろうよ。君だって、もう長いことここにいて、外に出た
      ことのない人間だからな。ハイデルベルクには行ったことが
      あるかね?

ルッツ(冷淡に):知らなかったら、どうだと言うのですかね。


—————————————《語彙》——————————————
 
herausgekommen (過去分詞) <heraus/kommen(s)
  (中からこちらの外へ)出て来る、抜け出す
   ユットナー博士がこの単語によって、気持ちはすでにハイデルベルク
   に来ていることがわかる。北国の陰気なカールスブルクの城から
   「抜け出す」というイメージがうかがえる。   
die Ewigkeit  永遠(口語)非常に長い時間、Ich habe ihn eine Ewigkeit
 nicht mehr gesehen./ 私はもうずいぶん長いこと彼に会っていない。 、 
der Gottes Ewigkeit derは冠詞ではなく、その前のein Menschを
  先行詞とする関係代名詞。Gottesは神というより「いまいましい」
  気分を込めた言葉で、Gottes Ewigkeitは「くそ長い」というニュアンス
  になっている。Gottes は単独2格。語尾のes は形容詞変化語尾ではなく
  名詞変化。念のため、単数1格から複数4格まで挙げる。der Gott / des Gottes /
     dem Gott / den Gott / die Götter / der Götter / den Göttern / die Götter
eisig(形)氷のように冷たい、冷淡な、冷酷な  
Ich wüßte nicht Ich weiß nicht では失礼なので接続法第2式を用いている。
「存じ上げませんが・・それが何か?」というルッツさんのいらだった気持ちが
感じられます。