アルト・ハイデルベルク(218)
𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌
.——————————【218】———————————————
Karl Heinrich:(geleitet Kellermann, an die Tür).
...........................Gehen Sie schlafen, Kellermann, und morgen
...........................erzählen Sie mehr. (Kellermann, Lakai ab).
Karl Heinrich:(allein, düstere Pause). Nun wird Brautfahrt
...........................gehalten, und das » gereifte Leben « beginnt.
...........................Kein Zick-Zack mehr und kein Zur-Seite
...........................springen, —es ist nun alles gut abgemessen
...........................und abgezirkelt.—Einen einzigen haben, der
...........................jetzt dasäße end spräche: » Karl Heinrich,
...........................das ist nicht anders, du mußt das ertragen. «
———————————(訳)———————————————
カール・ハインリヒ: (ドアまでケラーマンに付き添う)
..........................おやすみ、ケラーマン、じゃまた明日続き
..........................を聞かせてください.(ケラーマンと侍従退場)
カール・ハインリヒ: (ひとり、重たい空気の間).もうやがて
...........................花嫁お迎えの旅が始まる.そして大人の
...........................生活が始まるのだ.もうジグザグも道に
...........................それることもできない.これからは何も
...........................かもがきっちり測られるのだ.コンパス
...........................で測られるように厳密にだ.この今、そ
...........................こに座って声を掛けてくれる人がたった
............................ひとりでもいればいい:
............................「カール・ハインリヒ、他にはないんだ
............................よ.君は耐え忍ぶしか他にはないんだ.」
———————————《語彙》——————————————
geleiten:(他) 案内する、お供をする、エスコートする;
案内に随行する
düster:(形) 薄暗い、ほの暗い、暗い(⇔heiter 明るい)
❷[比喩] 陰気な、憂鬱な、ふさぎ込むような
die Brautfahrt:花嫁出迎えの旅;②(連れだって男の側の
親類を訪れる)婚約のあいさつ回り
gehalten:(過去分詞) < halten (他) 行なう、挙行する
gereift:(過去分詞) 円熟した、成熟した
<reifen (自) 熟する、成熟する
gereifte Leben:一人前の生活(植田版)
der Zickzack (E式) ジグザグ
Kein Zickzack mehr もうジグザグは無い.
kein Zur-Seite:わき道はない
springen:跳ねる、跳ぶ、
abgemessen:(過去分詞) 適切な、正確な、厳密な
< ab/messen (他) [大きさ、距離などを] 測る、
測定する、見積もる、判断する、
abgezirkelt:[アップ・ゲツィルケルト](過去分詞) 精密な、正確な、慎重な、
きちょうめんな、しゃくし定規の、
堅苦しい、コンパスで正確に測ったような;
<ab/zirkeln (他) [距離など⁴を](コンパスで)
厳密に測定する
einzig:(形) 唯一の、ただひとつの
dasäße:(接続法2式)[ここでは非現実用法]
座っていたらなあ(次のsprächeも同様)
<da/sitzen そこに腰掛けている、座り込んでいる
ertragen:(他) 耐える、忍ぶ、こらえる、我慢する
————————<messenとab/messen>———————————
どちらも「測る」という意味ですが、ab には「仕上げる」
「完成する」という意味があり、ab/messen は測り上げる
というニュアンスが生まれます.
ついでですが名詞形は die Abmessung (弱en) で、
単数形で「測量」、「測定」、複数形で「寸法」の意味.
——————————<接続法Ⅱ式>—————————————
Einen einzigen haben, der jetzt dasäße und spräche:
今そこに座って話しかけてくれるたった一人の人
でもいればいいのだが:
haben は不定詞で「~がある」の意味.einen einzigen
(4格)を伴って「~してくれる唯一の人がある(ならば)」
という願望を示唆.