第9教室:『湖畔』(ドイツ語学習)『アルト・ハイデルベルク』学習済み

『湖畔』を読みながらドイツ語の学習をしましょう.

語学学習日記(ドイツ語学習)アルト・ハイデルベルク(5)

アルト・ハイデルベルク(5)

 


————————— 【5】———————————————
  
2. Szene.

Staatsminister (kommt durch die Mitte)
v. Metzing. Exzellenz-(verneigt sich).
v. Breitenberg. Exzellenz-(verneigt sich).
Staatsminister (grüßt, - er winkt dem Lakai Glanz).
Kommen Sie mal. Se.
  Hochfürstliche Durchlaucht empfangen
  soeben Se . Durchlaucht den Erbprinzen.
 

——————————(訳)——————————————

第二場

国務大臣 : (中央を通って登場). 

フォン・メッツィング: 閣下 (お辞儀をする)

フォン・ブライテンベルク:閣下 (お辞儀をする)

国務大臣 :(挨拶をする _ 従僕のグランツに合図する)
ちょっと来てくれ。大殿下がたった今、公子殿下を
     お召しになっておられる。

 


—————————《語彙》————————————————
  

Hochfürstlichet Durchlaucht
王侯貴族に対する呼びかけで、
通常、殿下と訳される。
       尚、陛下という呼称は宮殿の階段のことで、                    通常、帝国国王、皇帝への尊称となる。
       この物語の設定の、ここ北ドイツのカールスブルクは、
ザクセン王国支配下にあったので「陛下」といえば、
      ザクセン王になるため、以下「大殿下」と訳していきます。
Se . Durchlaucht den Erbprinzenは「公子殿下」と訳しました。
kommen (自動詞) 来る
durch  (前置詞) ~を通って
die    (定冠詞) 女性形 4格
Mitte (女性名詞) 中央
empfangen  ~を受け取る ~を迎える 
~を歓迎する ~応対する
verneigt sich < sich verneigen   お辞儀する

【動詞の人称活用】
動詞の語尾は en 普通 en で終わります。
kommen(来る) という動詞を活用しましょう。
kommen の語尾は en
そしてkomm  の部分 は語幹と呼びます。
語幹は変化しませんが語尾が下記のとうに変化します。

人称に応じて語尾が変化するのをみおてみましょう。

 

      単数         複数

1人称  ich komme        wir kommen
     イヒ コメ       ヴィーア コメン
     私は来る        私たちは来る

 

2人称  du kommst       ihr kommt
(親称) ドゥー コムスト   イーア コムト
     君は来る       君たちは来る
     

2人称   Sie kommen      Sie kommen

(敬称)    あなたは来る    あなたがたは来る 

 

3人称  er kommt       sie kommen
     エア コムト     ズィー コメン
     彼は来る        彼らは来る

3人称  sie kommt
     ズィー コムト
     彼女は来る

     es kommt
     エス コムト
     それは来る


さて、ドイツ語には、2人称で、君に相当する du のほかに
Sie (ズィー)という敬称があります。

du は 親しい相手に対して使います。
親子、恋人、親友、仲間など
(きみ、おまえ、あなた などと訳されます)

Sie は 敬称といいまして、他人、上司など、
少し距離のある間柄で用います。
(あなた、に相当するとたいていの本に書かれていますが
日本語のあなたは、かなり馴れ馴れしいかもしれません。
あ宅、ご主人、奥さん、などのよびかけぐらいに思っていてください。
日本語で名字で呼びかける間柄で使う場合が Sie だといえます)
下の名前、ゆうちゃん、たかし君 で呼ぶ間柄では du になります。
単数形も複数形も同じ形なので、、(あなた)か(あなたがた)かは
状況の中でしか、わかりません。


————————【解説】————————————————
  

 前置詞はそのあとに名詞を従えます。そしてその名詞を支配します。
 ということは、名詞は、部下(支配される側)で前置詞がボス。
 で、なにを支配するかというと、格(かく).格を支配するのですが、

 さて格とは?

 格とはなにか? 格とは、日本語の助詞、て、に、を、は、に相当する。
 ドイツ語のてにをはとはなにか?
 それは、「は」「の」「に」「を」
 (葉の匂う)と覚えましょう。(何?歯の臭う?いいけど何かくさい)

 1格 主格です。N格(Nominativ)(ノミナティーフ)
    と書いている本もあります。
    「 ~は」 です。

 2格 属格(ぞっかく)。G格(Genitiv)(ゲニティーフ)といわれる
    こともあります。「 ~の」 になります。
    
 3格 与格(よかく)D格(Dativ)(ダティーフ)といわれる
    こともあります。「 ~に」 になります。


 4格 対格(たいかく)A格(Akkusativ)(アクザティーフ)
    英語の直接目的格に相当。
    「~を」

 この4つの格で、文を消化します。牛が4つの胃袋で秣を消化するように。
  

 で格は4つあるのですが、このうち前置詞が支配するのは3つ。
 それで、
 
durch (ドゥルヒ)(~を通って) という前置詞は、4格を
 支配します。これを4格支配の前置詞といいます。

 名詞と冠詞にも格があるのですが、
 きょうはこのくらいにして、後日の楽しみにとっておきましょう。