第9教室:『湖畔』(ドイツ語学習)『アルト・ハイデルベルク』学習済み

『湖畔』を読みながらドイツ語の学習をしましょう.

語学学習日記(ドイツ語学習)『湖畔』(12)(シュトルム作)


湖畔(12)
IMMENSEE(12)


——————————【12】—————————————————

vor  einem  Tische  mit  grüner  Decke,  auf  dem  
einzelne   aufgeschlagene   Bücher   umherlagen,
stand   ein   schwerfälliger   Lehnstuhl  mit  rotem  
Sammetkissen.     


.——————————(訳)————————————————

それぞれ開かれたままの本が上に散乱している緑のテー
ブルクロスが掛けられた机の前に赤いクッションを置い
たどっしりした安楽椅子があった.

 

.——————————《語句》—————————————————
         
der Tisch:[e式] テーブル、机  
grün:(形) 緑色の、(er = 強女3)
die Decke:[弱] テーブルクロス、掛け布、覆い   
einzeln:(形) 個々の   
aufgeschlagene:(辞書不掲載)→auf + schlagen
auf:(分離前綴り) 開く、開いた、開くこと;
  英語のup に対応するので、「上へ」「完了する」
  の意味も持っている.イメージは「パッカ~ン」   
das Buch:(複Bücher) 本  
umher:(分離前綴り) あちこちに、四方八方に 
umher/liegen:(自) あちこちに散らばっている、散乱し
    ている; umherliegen——umherrlag——umhergelagen
umherrlagen:(3複/過去)(主語=Bücher)
schwerfällig:(形) 重そうな、鈍重な、不器用な、
  ぎこちない、ぐずぐずした、面倒な、厄介な   
der Lehnstuhl:[(e)s/_stüle] 肘掛椅子、安楽椅子;
  der Lehnsessel (同尾式、安楽椅子)と同じ意味の単語   
rotem:rot (形) 赤い;(格語尾em は強中3)  
das Sammetkissen:[同尾式]ビロードのクッション
    Sammet →Samt (ビロードm)[e式] 
    Kissen (n)[同尾式] クッション、まくら、座布団
 
     

.——————————≪注意≫ —————————————————

vor einem Tische mit grüner Decke, auf dem  
einzelne aufgeschlagene Bücher umherlagen,
それぞれ開かれたままの本が上に散乱している緑のテー
ブルクロスが掛けられた机の前に

auf は「~の上に」だから
「それぞれ開かれたままの本の上にテーブルがあった」
と考えては間違いです.
auf dem のdem は関係代名詞でTisch を受けています.
先行詞はいつもいつも直前とは限りません.demは
女性名詞を先行詞に取ることはできません.
男性もしくは中性の3格です.auf は「場所」を言う
場合は3格支配になりますので.そうするとTisch が
先行詞だとわかります.そして関係文のほうは定動詞が
文末に来ますので、umherlagen 散らばっていた.本が
散らばっていたのです.
そして、文の本体の方の定動詞は、stand.主語はこの
あとに出てきます.主語は、 
  ein schwerfälliger Lehnstuhl mit rotem Sammetkissen.     
 赤いクッションを置いたどっしりした安楽椅子


——————————≪訳す≫ —————————————————

それぞれ開かれたままの本が上に散乱している緑のテー
ブルクロスが掛けられた机の前に赤いクッションを置い
たどっしりした安楽椅子があった.

これは直訳なので読みずらいと思います.適当に途中で
切りましょう.

緑色のテーブルクロスが掛けられたテーブルには数冊
本がちらばっていた.どの本も開かれたままになって
いた.その前にどっしりした安楽椅子が置かれていた.
赤い色のクッションがのせられていた.

ただし試験でこんな自由奔放にすれば減点の可能性あり.
採点者は修飾関係を理解しているかをチェックしていま
すから、多少ぎこちなくても、文法に沿ったほうが安全
です.卒業してから好きなように訳しましょう.