レ・ミゼラブル(2)
Les Misérables
————————【2】—————————————
Quoique ce détail ne touche en aucune
manière au fond même de ce que nous
avons à raconter,* il n'est peut-être pas
inutile, ne fût-ce que pour être exact en
tout, d'indiquer ici les bruits et les propos
qui avaient couru sur son comte au mo-
ment où il était arrivé dans le diocèse.
.————————(訳)—————————————
この詳細は実のところまったく私たちが語るべき
ことと何の関係もないことなのだが、彼がこの教
区に到着したとき、流れていた彼に関する噂、よ
もやま話をここに示すことは、それが正確を期す
ためだけものであったとしても、おそらく無駄な
ことではないだろう.
————————〘語句〙—————————————
détail: (m) 細部、詳細
quoique: [コワク] (接)
❶〚quoique + 接続法〛...とはいえ
、...ではあるにもかかわらず
Il n'a pas réussi à l'exameen quoiqu'il ait beaucoup
travaillé. / 彼はよく勉強したのに試験に落ちた.
toucher: (他) 関係がある
Cela ne me touche en rien.
それは私にはまったくかかわりあいがない.
au fond: 実は、実際は、結局のところ、
même:(副) その前のau fond を強めている
「まさに」
en aucune manière: 少しも(~でない)
inutile: [イニュティル] (形) 役に立たない、
無用の、無益な
propos: (m) ❶言葉、話、
❷[文語] 目的、意図
diocèse: [ディオセーズ] 司教区(フランスに87ある)
couru(e): [過去分詞]
<courir (形) 人気のある、流行の
spectacle très couru 大評判のショー
courir: (自) (噂などが) 広まる、流布する
Le bruit court qu'il est mort. /
彼は死んだという噂が流れている.
chanson qui court par le pays. /
国中に流行っている歌
bruits: (複) < bruit (m) ❶噂、評判、
❷騒ぎ立てること、大騒ぎ: ❸音
sur le compte de qn: (人)に関して
indiquer: [アンディケ] (他) ❶指す、指し示す、
❷教える
❸(日時を)定める、指定する
❹ 示す、表す
fût-ce: 接続法半過去;
倒置になっているのは、認容表現、
ne fût-ce que ~でしかないにせよ
il n'est peut-être pas inutile:それは無駄では
ないだろう.
このil はd'indiquer のde + inf を仮置き
しているもの.ここに彼の噂を示すことは、
正確を期するためだけであるにせよ、無駄
ではない、意義のあることだろう.
—————————〚注意〛—————————————
* nous avons à raconter
私たちは語らなければならない
一般に(avoir à + 不定詞)で、
「~しなければならない)
ce que: ~ところのもの
ce que nous avons à raconter /
私たちが語るべきこと
de ce que nous avons à raconter /
私たちが語るべきことと
ne touche: 関係がありません.
ce détail ne touche /
この詳細は関係がありません
ce détail ne touche de ce que nous avons à
raconter /
この詳細は私たちが語るべきことと関係
がありません.
Quoique ce détail ne touche de ce que nous
avons à raconter /
この詳細は私たちが語るべきことと関係が
ないのですが、