アルト・ハイデルベルク(117)
𝓐𝓵𝓽 𝓗𝓮𝓲𝓭𝓮𝓵𝓫𝓮𝓻𝓰
————————————【117】——————————————————
Die Musik setzt nebenan voll ein mit dem » Gaudeamus «,
alle Studenten singen das Lied.
Karl Heinrich:(stutzt, horcht). Was ist das ?
Lutz : Ew. Durchlaucht, die Studenten. Der ganze Garten sitzt
voll von diesen Leuten.
Karl Heinrich:(hört schweigend den ganze Vers, alle stehen
erwartungsvoll, als ob sie auf seinen Entschluß warten. Als
der zweite Vers jubelnd einsetzt, blickt Karl Heinrich um sich
wie erwachend). ——Doktor ?
Doktor:Ew. Durchlaucht — ?
Karl Heinrich:Gehen wir hinein. (Ab. Von allen gefolgt.)
Doktor:(allein. Er will mit, bleibt, horcht, setzt sich müde.— Er hört
schweigend den zweiten Vers zu Ende singen.)
(Es ist Abend geworden, das Schloß liegt im Licht der
Abendsonne, langsam kommt die Dämmerung.)
Doktor:Gaudeamus ! —Die Lebensfreude ! — Und unsereins ist
müde und caput. ———Caput.——
————————————— (訳) ————————————————
音楽が隣で『ガウデアームス』でもって本格的に始まる.
学生全員がこの歌を歌う.
カール・ハインリヒ:(はっとして聞き入る) あれは何ですか?
ルッツ :学生たちでございます、殿下.あの人間たちで、庭は
すし詰めです.
カール・ハインリヒ:(黙って歌詞を全部聞いている、全員決断を待つように立って
いる.2番目の歌詞が歓声と共に始まると、カール・ハインリ
ヒは、目が覚めたかのように自分の周りを見渡す)
——あの、博士.
博士 :殿下、何か?
カール・ハインリヒ:私たち、中へ入りましょうよ.(全員がついて行く)
博士 :(一人残る.一緒に行こうとするが立ち止まる.歌を聴き入る.
疲れて、腰掛ける.—黙って2番目の歌詞を歌っているのを
最後まで聴いている.)
(夕方になる.城が夕陽の光に包まれ輝いている.ゆっくり薄
暗くなってゆく)
博士 : ガウデアームスだ!——人生の喜びだ! しかし我らのような
者は疲れた! もうつぶれてしまった!———つぶれてしまった!
—————————————《語彙》———————————————
ein/setzen:[文語] 始まる、起こる
voll:(副) 完全に
blickt: (3単現) <blicken (自/h) (+方向詞)目を向ける
erwachend: (現在分詞) <erwachen (自/s) [文語] 目を覚ます
nebenan:[ネーベン・アン] (副) 隣に、隣接して;ただし訳本では「庭」
と訳されています.庭は2つあって、手前側と、一段さがった
川岸側があったと記憶しています.
Gaudeamus:ガウデアームス(されば楽しもう)
stutzen:(自) (驚いて)はっとする
horchen:(自) 聞き耳を立てる、耳を澄ます [auf Akk に]
gefolgt:(過去分詞) <folgen あとについて行く
ab:退場; 離れて
von allen gefolgt:みんながあとにつづいて
schweigend:(現在分詞) <schweigen (自) 黙っている、
schweigen—schwieg—geschwiegen
der Vers:[フェルス] (eタイプ) 詩
erwartungsvoll:(形) 期待に満ちた
<die erwartung:(en タイプ) 期待、予想、見込み
der Entschluß: (Entschlüsse) 決心、決断、決定
jubelnd: (現在分詞) <jubeln (自) 歓声を上げる、歓呼する
die Dämmerung:(en タイプ) 夕暮れ、夜明け、薄暗がり
unsereins: (不定代名詞) <=unsereiner 私たちのような者、
私たちのような人間
caput:(辞書不掲載語)訳本をみると「もうだめだ」の意味で
訳されています.しかしそのまま使うのも無責任なので、とりあえず
ネット検索してみた:その結果、出典は「頭」を意味するラテン語の
ようでした.「もうだめだ」に近い表現を探したところ、
「supra caput esse 頭のうえにある>悩ます」
という説明がありました.まあ「頭を越えた状態」を意味する
ことがわかったので、ここでは「もう限界だ」としておこうとも
思ったのですが、私のうっすらした記憶では「潰れた」という意味が
片隅に残っていますので、そちらの説で書いておきます.
どの程度信頼できるか?まあ「幽霊を見た」程度で!
後日、わかったら訂正に戻ってきます.それまでこの怪しい訳文
でおつき合いをお願いします.
—————————≪ガウデアームスについて≫———————————————
この歌はラテン語で歌われる歌の一つです.
Gaudeamus igitur, iuvenes dum sumus; それでは楽しもう、ぼくらが若い間に
post iucundam iuventutem, post molestam 楽しい青春ののちに、悩み多い老年ののちに
senectutem nos habebit humus ! ぼくらは大地に帰るのだから.
Vivat academia, vivant professores, 大学万歳、教授万歳、
vivat membrum quodlibet, vivant membra quaelibet ぼくらのすべての仲間万歳
semper sint in flore ! 彼らはつねに若々しい
歌の起源については不明ですがドイツにかぎらず、世界中で歌われている
学生歌です.日本では「わがゆく道は」で知られています.